01
07月

いっちょらい(7/1~7/14)

2023fukuiicchorai.jpg
人生、踊ってますか?

監督/脚本/編集:
 片山享
プロデューサー:
 宮田耕輔
主題歌:
 ナオリュウ「それでも世界は美しい」
挿入歌:
 ラッキーオールドサン「すずらん通り」「ベースサイドストリート」
出演:
 松林慎司
 太田美恵
 安楽涼
 窪瀬環
 岸茉莉
 柳谷一成
 山田昭二
制作:
 2023年/日本/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch/DCP
上映時間:
 93分
後援:
 福井県
特別協賛:
 福井市/OOKABE GLASS株式会社
企画/製作:
 ふくいまちなかムービープロジェクト 
配給・宣伝協力:
 夢何生

2023fukuiicchorai-1.jpg

夢を失った、ままならない男の立ち姿。命を繋ぐ”いっちょらい節”!
故郷で中華料理屋を営むテツヤ。かつて東京に出て自分の店を持つ夢を持っていたが父が病に倒れ、泣く泣く店を継いだのだった――。夢を失い、くすぶった日々を過ごすテツヤだが周りの人達は前を向き幸せになっていく。そんなある日、訪問看護師から父の容体が悪くなっていることを告げられ…。



2023fukuiicchorai-2.jpg

幸福度No1の福井県を舞台にした、福井だからこそ生まれた幸せを問う物語
2017年に制作された短編映画『いっちょらい』の片山享監督のによるセルフリメイク作品。短編版は第24回ながおか映画祭準グランプリ・はままつ映画祭2018入選し、話題を呼んだ。監督の片山は初長編作品『轟音』でスペイン・シッチェス映画祭を筆頭に国際的に高い評価を受け脚光を浴びている。昨年は「わかりません」「道草」ほか5作品もの作品が公開された。最新作の本作では故郷・福井を舞台に、これまでの監督作品で一貫してきた「幸せとは何か」を考えさせる作品となっている。俳優出身の出自を活かした演出に定評があり、今後さらなる活躍を期待され注目を集める存在だ。またテツヤ役には『GOLDFISH』『RUN! 3films』に出演する実力派俳優、松林慎司が長編映画初の主演をつとめる。ままならない人生に訪れる変化を繊細に映し出し、豊かな映画表現で観る者の心を揺さぶる作品が完成した。心震わせるラスト30分は見逃せない。

2023fukuiicchorai-3.jpg

「いっちょらい」とは
「いっちょらい」とは福井の方言である。「一張羅(いっちょうら)」のことで「(自分にとって)一番いいもの」を意味する。福井県の民謡「いっちょらい節」(福井音頭)」のなかで歌われる掛け声でもあり、福井県民にとって誰もが郷愁を覚えるフレーズだ。

10
06月

追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭(6/10~6/23)


“ヌーヴェル・ヴァーグ” の旗手ジャン=リュック・ゴダール

2022年9月13日、ひとりの映画監督がこの世を去った。
『勝手にしやがれ』で世界を驚愕させて以降、“ヌーヴェル・ヴァーグ” の旗手として作品を発表するごとに注目を浴びると同時に、そんなカテゴライズをあざ笑うかのごとく観る者を挑発し、煙に巻き、固定観念に唾を吐き続けた男。
今回、彼の膨大なフィルモグラフィの中から最も充実していた1960年代と1980年代を中心に、滅多にスクリーンでは観ることのできない全9作をセレクト。
何が革新だったのか。何が称賛されたのか。何が人々を怒らせたのか。そして彼のいない映画はどうなっていくのか。
それでもゴダール=映画は生き続ける。


◆上映スケジュール

6/10(土) 6/11(日) 6/12(月) 6/13(火) 6/14(水) 6/15(木) 6/16(金)
はなればなれに ウイークエンド 小さな兵隊 カラビニエ パッション ゴダールの探偵 ゴダールの決別
6/17(土) 6/18(日) 6/19(月) 6/20(火) 6/21(水) 6/22(木) 6/23(金)
カルメンという名の女 ゴダールのマリア はなればなれに ウイークエンド カルメンという名の女 はなればなれに ゴダールのマリア



◆作品詳細

小さな兵隊 [1960](6/12)

THE LITTLE SOLDIER ©1962-STUDIOCANAL IMAGE
小さな兵隊 [1960]

1960年/88分/脚本:ゴダール/撮影:ラウル・クタール/音楽:モーリス・ルルー
出演:ミシェル・シュボール(ブリュノ)、アンナ・カリーナ(ヴェロニカ)、ラズロ・サボ(ラズロ)
原題:Le Petit Soldat

極右のOAS(秘密軍事組織)およびこれと対立する組織FLN(アルジェリア民族解放戦線)の間で翻弄される男女のスパイを描いた長編第二作。60年に完成していたが、アルジェリア戦争を主題とし、両組織による拷問を批判的に描いたことで63年まで公開されなかったいわくつきの作品。アンア・カリーナが初めて出演したゴダール映画でもある。二人は本作完成後に結婚した。
カラビニエ [1963](6/13)

©1963 / STUDIOCANAL - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - Tous droits réservés
カラビニエ [1963]

1963年/80分/原作:ベニャミーノ・ヨッポロ/脚本:ゴダール、ジャン・グリュオー、ロベルト・ロッセリーニ/撮影:ラウル・クタール/音楽:フィリップ・アルチュイ
出演:マリノ・マゼ(ユリース)、アルベール・ジュロス(ミケランジュ)、ジュヌヴィエーヴ・ガレア(ヴェニュス)、カトリーヌ・リベイロ(クレオパトル)
原題:Les Carabiniers

題名は「歩兵たち」の意。イタリア人作家ヨッポロの同名舞台劇に基づく寓話的反戦・反帝国主義風刺劇。前年に同劇を演出したロッセリーニが、脚本家の一人として名を連ねている。架空の国の貧しく学のない若者二人が、世界の富をわがものにできるとの甘言に釣られて「王様」からの徴兵に応じ出征、破壊と略奪の限りを尽くすが……ジャン・ヴィゴに捧げられている。
はなればなれに [1964](6/10, 19, 22)

©Gaumont
はなればなれに [1964]

1964年/96分/原作:ドロレス・ヒッチェンズ/脚本:ゴダール/撮影:ラウル・クタール/音楽:ミシェル・ルグラン
出演:クロード・ブラッスール(アルチュール)、アンナ・カリーナ(オディル)、サミー・フレイ(フランツ)
原題:Bande à part

先頃邦訳が刊行されたアメリカ人作家ヒッチェンズの小説に基づく作品。若者二人組とナイーヴな娘が織りなす三角関係と彼らの犯罪計画を軸とした、奔放な悲喜劇。物語の内と外を自在に出入りする、ゴダール自身の声によるナレーションもユニーク。タランティーノ、ベルトルッチ、ハートリーら本作への偏愛を隠さない映画作家やミュージシャンは数多い。
ウイークエンド [1967](6/11, 20)

©Gaumont
ウイークエンド [1967]

1967年/104分/脚本:ゴダール/撮影:ラウル・クタール/音楽:アントワーヌ・デュアメル
出演:ジャン・ヤンヌ(ロラン)、ミレーユ・ダルク(コリーヌ)、ジャン゠ピエール・カルフォン(FLSOの指導者)
原題:Week-end

各々愛人がいて、密かに互いを殺す機会をうかがうプチブル夫婦。二人は遺産相続のため妻の実家へと車を走らせるが、この長旅はトラブルや奇妙な人物たちを通じて次第に混沌とした非現実的なものへと変貌していく……性と政治の季節に作られたポストモダン的黒い喜劇。交通渋滞を描いたくだりの移動撮影は、映画史上最も長いものの一つだとされる。
パッション [1982](6/14)

©Gaumont
パッション [1982]

1982年/88分/脚本:ゴダール/撮影:ラウル・クタール/ヴィデオ撮影:ジャン゠ベルナール・ムヌー
出演:イザベル・ユペール(イザベル)、ミシェル・ピコリ(ミシェル)、ハンナ・シグラ(ハンナ)
原題:Passion

欧州古典絵画の数々を活人画として再現した芸術映画製作に取り組む野心的ポーランド人監督。国際的製作班による「(完成しない)映画作りを描いた映画」としての側面を備える本作は、夏の陽光に満たされたかつてのゴダール映画『軽蔑』を冬の光の中で再創造する。ここでも物語は芸術(創造行為)と生活(性や金銭を巡る諸問題)の間を往還するだろう。
カルメンという名の女 [1983](6/17, 21)

©1983 STUDIOCANAL - France 2 Cinéma
カルメンという名の女 [1983]

1983年/85分/脚本:アンヌ゠マリー・ミエヴィル/撮影:ラウル・クタール、ジャン゠ベルナール・ムヌー
出演:マルーシュカ・デートメルス(カルメンX)、ジャック・ボナフェ(ジョゼフ)、ミリアム・ルーセル(クレール)
原題:Prénom Carmen

テロリストと思しき集団と共に銀行を襲撃する美貌の娘カルメンと、彼女と恋に落ちた警備員ジョゼフがたどる数奇な運命。そこにカルメンのおじで精神病院に入院中の元映画監督ジャン(ゴダール自身が演じている)およびベートヴェンの弦楽四重奏曲を練習する演奏家集団が交差しつつ、悲喜劇的なラストですべてが合流する、ゴダール流“カルメン映画”。
ゴダールのマリア [1985](6/18, 23)

©Gaumont
ゴダールのマリア [1985]

1985年/107分/脚本:ゴダール/撮影:ジャン゠ベルナール・ムヌー/編集:アンヌ゠マリー・ミエヴィル
出演:ミリアム・ルーセル(マリー)、ティエリ・ロード(ジョゼフ)、ジュリエット・ビノシュ(ジュリエット)
原題:Je vous salue, Marie

聖母マリアをスイスの女子学生マリーへと変換し、イエスの処女生誕の物語を現代に置き換えて語り直した、ある意味挑発的な作品。カトリックの教義に言及しつつ、マリー役のルーセルが全裸となる場面があるためヨハネ・パウロ二世に批判され、上映禁止措置がとられた国もある。また抗議活動や爆破予告の対象となった劇場もあり、各国で物議を醸した。
※アンヌ=マリー・ミエヴィル監督の短篇『マリアの本』とゴダール監督の『こんにちは、マリア』の2部構成となります。
ゴダールの探偵 [1985](6/15)

THE DETECTIVE ©1985-STUDIOCANAL IMAGE
ゴダールの探偵 [1985]

1985年/98分/脚本:アラン・サルド、フィリップ・セトボン、ゴダール、アンヌ゠マリー・ミエヴィル/撮影:ブリュノ・ニュイッテン、ピエール・ノヴィオン、ルイ・ビイ
出演:ジャン゠ピエール・レオ(イジドール)、ジョニー・アリディ(ジム)、ナタリー・バイ(フランソワーズ)
原題:Détective

探偵と刑事、ボクシング関係者、飛行士夫妻、老いたマフィアらが滞在中のホテルで交差する姿を、スター俳優を起用して描いた犯罪群像悲喜劇。『マリア』の完成資金を稼ぐためにゴダールが引き受けた企画で、カサヴェテス、イーストウッド、ウルマーに捧げられているのもそれぞれ商業的要請の中で見事な犯罪劇を撮った彼らへのオマージュと受け取れる。
ゴダールの決別 [1993](6/16)

ALAS FOR ME ©1993-STUDIOCANAL IMAGE
ゴダールの決別 [1993]

1993年/84分/脚本:ゴダール/撮影:カロリーヌ・シャンプティエ
出演:ジェラール・ドパルデュー(シモン)、ロランス・マスリア(ラシェル)、ベルナール・ヴェルレー(アブラン)
原題:Hélas pour moi

ある男がスイスの小村で数年前に起こった出来事を調査する。一連の回想を通じて明らかになるのは、夫が出張中、妻のもとに夫の姿を借りた神が訪れた、という摩訶不思議な話だった。ギリシャ神話中のゼウス神が夫に化けて人妻と時を過ごす伝説に想を得た、人間の欲望、苦悩、歓びを巡る真実を経験したいとの神の願望を巡る物語。シャンプティエの撮影と相まって、最も美しいゴダール映画の一本と評される。

2023godard.jpg

01
06月

上映時間表 6月2023年

CATEGORY上映時間表
202306time2.jpg

◆上映時間表 6月 2023年

【ご注意ください】
  • 6/3(土)~6/23(金) 土日平日とで時間割が異なりますのでご注意ください。
  • 6/24(土)~6/30(金) 変則時間割となります。
  • 『星に語りて』上映は6/29(木)までとなります。6/30(金) は上映がありません 。
  • 7/1(土)、7/2(土) には『いっちょらい』舞台挨拶を予定しております。登壇者・時間割が決定次第、公表いたします。

日付 上映時間 上映作品
6/3
(土)

6/4
(日)
11:00メグレと若い女の死
12:45パリタクシー
14:35坂本龍一 追悼上映『戦場のメリークリスマス [1983]』
17:00最高の花婿 ファイナル
19:00午前4時にパリの夜は明ける
6/5
(月)

6/9
(金)
11:00メグレと若い女の死
12:45パリタクシー
14:35午前4時にパリの夜は明ける
17:00最高の花婿 ファイナル
19:00坂本龍一 追悼上映『戦場のメリークリスマス [1983]』
6/10
(土)

6/11
(日)
11:00追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭
6/10(土) はなればなれに
6/11(日) ウイークエンド
13:00パリタクシー
14:50坂本龍一 追悼上映『ラストエンペラー [1987]』
17:45メグレと若い女の死
19:30アダマン号に乗って
6/12
(月)

6/16
(金)
11:00追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭
6/12(月) 小さな兵隊
6/13(火) カラビニエ
6/14(水) パッション
6/15(木) ゴダールの探偵
6/16(金) ゴダールの決別
13:00パリタクシー
14:50アダマン号に乗って
17:00メグレと若い女の死
19:00坂本龍一 追悼上映『ラストエンペラー [1987]』
6/17
(土)

6/18
(日)
11:00追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭
6/17(土) カルメンという名の女
6/18(日) ゴダールのマリア
13:00サイド バイ サイド 隣にいる人
15:30坂本龍一 追悼上映『Ryuichi Sakamoto: CODA [2017]』
17:30アダマン号に乗って
19:35EO イーオー
6/19
(月)

6/23
(金)
11:00追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭
6/19(月) はなればなれに
6/20(火) ウイークエンド
6/21(水) カルメンという名の女
6/22(木) はなればなれに
6/23(金) ゴダールのマリア
13:00サイド バイ サイド 隣にいる人
15:30EO イーオー
17:30アダマン号に乗って
19:35坂本龍一 追悼上映『Ryuichi Sakamoto: CODA [2017]』
6/24
(土)
10:0012ヵ月のシネマリレー『薔薇の名前』
12:30ウィ、シェフ!
15:00星に語りて Starry Sky
17:10サイド バイ サイド 隣にいる人
19:35アルマゲドン・タイム
6/25
(日)

6/30
(金)
10:0012ヵ月のシネマリレー『薔薇の名前』
12:30ウィ、シェフ!
14:25サイド バイ サイド 隣にいる人
16:50アルマゲドン・タイム
19:00 6/25(日)~6/29(木):星に語りて Starry Sky
6/30(金):12ヵ月のシネマリレー『薔薇の名前』
7/1
(土)

7/2
(日)
調整中
7/3
(月)

7/7
(金)
11:00ウィ、シェフ!
13:00いっちょらい
14:50零落
17:15アルマゲドン・タイム
19:30ダークグラス
01
06月

メトロ映画情報6月号2023年

メトロ映画情報 6月号2023年

2023年 6月のトップ画像は『Ryuichi Sakamoto: CODA [2017]』から坂本龍一さん。
世界中に愛された音楽の巨匠を偲び、3作品を追悼上映いたします。
美しい旋律とともに自らも役者として話題を呼んだ名作『戦場のメリークリスマス [1983]』
日本人で初めてアカデミー賞作曲賞を受賞した『ラストエンペラー [1987]』
そして近年からは、教授の音楽と思索に迫ったドキュメンタリー『Ryuichi Sakamoto: CODA [2017]』
どれも今観ておきたい作品です。
どうぞお見逃しなきよう、お願いいたします。

202306-1.jpg

202306-2.jpg

31
12月

2023年 上映予定

CATEGORY年間予定
tytleD.gif 

◆ 2023年 上映予定
※予告なく変更される可能性があります。時間表(こちら)をご確認ください。

新型ウィルス禍の影響により、突然のスケジュール変更を行う可能性がございます。
ご来場の際には最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。


6/3

6/9
坂本龍一
追悼上映



戦場のメリークリスマス [1983]
(6/3~6/9)



ラストエンペラー [1987]
(6/10~6/16)



Ryuichi Sakamoto: CODA [2017](6/17~6/23)

パリタクシー

メグレと若い女の死

午前4時にパリの夜は明ける

最高の花婿 ファイナル
6/10

6/16

アダマン号に乗って

追悼ジャン=リュック・ゴダール映画祭
6/17

6/23

サイド バイ サイド 隣にいる人

EO イーオー
6/24

6/30



12ヵ月のシネマリレー
薔薇の名前

星に語りて Starry Sky

※29(木)まで

ウィ、シェフ!

アルマゲドン・タイム
7/1

7/7

いっちょらい
7/8

7/14
01
07月

ダークグラス(7/1~7/7)

2023darkglass.jpg
盲目の美女を襲う“見えない恐怖”
血に飢えた《ブラインド》ホラー

監督:
 ダリオ・アルジェント
出演:
 イレニア・パストレッリ
 アーシア・アルジェント
 シンユー・チャン
原題:
 Occhiali neri
製作:
 2022年製作/PG12/イタリア・フランス合作
上映時間:
 85分
配給:
 ロングライド

ホラーの帝王、再臨
『サスペリア』『サスペリアPART2』『フェノミナ』
ダリオ・アルジェント監督最新作

2023darkglass-1.jpg

今夜もどこかで行われる美女の血祭り一
切り裂きジャックのごとき殺人鬼、現代のローマに現る

ローマで娼婦ばかりを狙った猟奇的な連続殺人事件が発生。その4人目のターゲットにされたコールガールのディアナもまた殺人鬼によって車を衝突させられ大事故に遭い、両目の視力を失ってしまう。同じ事故で両親を亡くした少年チンとの間に絆が生まれ、一緒に暮らすこととなるが、サイコパスの殺人鬼はその後もしつこくディアナたちを殺害しようとつけ狙う。

2023darkglass-2jpg.jpg

“幻の脚本” が実現!
10年ぶりの新作は原点回帰のジャッロで恐怖へ誘う

1977年に日本でも異例の大ヒットを記録した『サスペリア』では、極彩色の悪夢的なビジュアルと先鋭的な音楽を融合させ、とかく低俗と見なされがちなホラーを官能的なアートの域にまで押し上げた。その誰にも模倣できない鮮血の美学は、リメイク版『サスペリア』のルカ・グァダニーノ、『死霊館』シリーズのジェームズ・ワン、さらにはクエンティン・タランティーノらを熱狂させ、世界中のクリエイターに影響を与え続けている。そのアルジェントが82歳にして、前作から10年ぶりに完成させた本作は、自身のルーツであるジャッロに立ち返ったイタリアン・ホラーだ。2000年代初頭に脚本を執筆しながらも、製作サイドの事情で中止を余儀なくされた幻の企画がついに実現。盲目のヒロインがサイコパスの殺人鬼に脅かされる“見えない恐怖”をスタイリッシュに映像化し、第72回ベルリン国際映画祭におけるプレミア上映で大きな反響を呼んだ。

2023darkglass-3.jpg

01
07月

零落(7/1~7/14)

2023reiraku_main.jpg
墜ちよ、生きよ!

原作:
 浅野いにお
監督:
 竹中直人
脚本:
 倉持裕
音楽:
 志磨遼平(ドレスコーズ)
出演:
 斎藤工
 趣里
 MEGUMI
 玉城ティナ
 安達祐実
 山下リオ
 土佐和成
 永積崇
 信江勇
 宮崎香蓮
製作:
 2022年製作/PG12/日本
上映時間:
 128分
配給:
 日活、ハピネットファントム・スタジオ

2023reiraku-1.jpg

元人気漫画家が手にした、堕落への片道切符!

8年間の連載が終了した漫画家・深澤薫は、自堕落で鬱屈した空虚な毎日を過ごしていた。SNSには読者からの辛辣な酷評、売れ線狙いの担当編集者とも考え方が食い違い、アシスタントからは身に覚えのないパワハラを指摘される。多忙な漫画編集者の妻ともすれ違い、離婚の危機。世知辛い世間の煩わしさから逃げるように漂流する深澤は、ある日“猫のような目をした”風俗嬢・ちふゆと出会う。堕落への片道切符を手にした深澤は、人生の岐路に立つ……。

2023reiraku-2.jpg

もう、うんざりだよ
面白いとか売れてるとか····
そんなもんに一喜一憂する生活は。

青春漫画の金字塔「ソラニン」を放ったカリスマ漫画家・浅野いにおの新境地にして衝撃の問題作を完全映画化!監督は『無能の人』から10作品目となる、竹中直人。主人公の元人気漫画家・深澤薫を演じる斎藤工が、屈折した人物像にリアルな魂を宿す。“猫のような目をした”風俗嬢・ちふゆに息を吹き込むのは、趣里。敏腕漫画編集者で深澤の妻・町田のぞみをMEGUMIが演じ、さらには玉城ティナ、安達祐実など個性的なキャストがスクリーンを彩る。永積崇(ハナレグミ)、しりあがり寿、大橋裕之…とバラエティ豊かな著名人も多数出演。主題歌は、強烈なインパクトを残すフリーライター役で出演もする志磨遼平が書き下ろした、ドレスコーズの「ドレミ」。

2023reiraku-4.jpg

あなたが漫画を描き続ける限り、
には誰かを傷付ける
死ぬまでひとりぼっち。

果たして、漫画を描きつづけることは醜悪に誰かを傷つける、悪魔の所業なのか? そんなおそろしい問いかけすら観る者に突きつける深澤の鋭意な葛藤は、表現者ならいつかは必ず誰もが直面する、通過儀礼のように普遍的な魂のジレンマである。
その不協和音の奏でる痛みに七転八倒しながら堕ちてゆく姿が、深澤のようにぶざまで、不器用で、愚かで、カッコ悪くて、見苦しくて、不憫であればあるほど、その人間臭い生きざまは途方もなく滑稽で、愛おしい――。
息苦しい21世紀の今を生きるすべての表現者に贈る、哀しくも美しい物語が誕生した。

2023reiraku-3.jpg

24
06月

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(6/24~7/7)

2023armageddontime.jpg
この素晴らしき、不条理な世界

監督:
 ジェームズ・グレイ
出演:
 アンソニー・ホプキンス
 アン・ハサウェイ
 ジェレミー・ストロング
 バンクス・レペタ
 ジャイリン・ウェッブ
 トバ・フェルドシャー
 ライアン・セル
原題:
 Armageddon Time
製作:
 2022年製作/PG12/アメリカ
上映時間:
 115分
配給:
 パルコ

2023armageddontime-1.jpg

12歳の、ほんの出来心が招いた一家の騒乱――
そのまなざしの先にある、素晴らしき愛と不条理の世界

1980年、ニューヨーク。白人の中流家庭に生まれ育ったポール(バンクス・レペタ)は、公立学校に通う12歳。PTA会長を務める教育熱心な母エスター(アン・ハサウェイ)、働き者でユーモラスな父アーヴィング(ジェレミー・ストロング)、私立学校に通う優秀な兄テッド(ライアン・セル)と不自由なく過ごしているが、近ごろは家族に対して苛立ちと居心地の悪さを感じる毎日。そんなポールにとって、祖父アーロン(アンソニー・ホプキンス)はただ一人の心を許せる良き理解者であった。

2023armageddontime-4.jpg

想像力が豊かで芸術に興味を持つポールにとって、規律を重んじる学校生活は窮屈そのもの。そのため周囲との集団生活にうまく馴染めずにいたが、クラス一の問題児である黒人生徒ジョニー(ジェイリン・ウェッブ)だけは唯一の打ち解けられる友人だ。しかしある日、ポールとジョニーがやらかした些細な悪さが、2人の行く末を大きく分けることになる――。


2023armageddontime-3.jpg

俊英ジェームズ・グレイの幼少期を投影した自伝的作品。
豪華キャスト陣の共演でよみがえる、80年代ニューヨーク ― その光と影。

『エヴァの告白』(13)、『アド・アストラ』(19)など社会派からSFまで精力的に新作を世に送り出し続けるジェームズ・グレイが製作・監督・脚本を務めた最新作。本作はグレイ監督の実体験を元にした自伝的作品であり、第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された。また、『レイチェルの結婚』(08)、『レ・ミゼラブル』(12)のアン・ハサウェイ、『羊たちの沈黙』(91)、『ファーザー』(20)のアンソニー・ホプキンスなどアカデミー賞®をはじめとする賞レース常連の名優たちに加え、『ジェントルメン』(19)、『シカゴ7裁判』(20)で強い印象の残すジェレミー・ストロングら一流キャストの共演にも注目だ。

2023armageddontime-2.jpg

レーガン政権が誕生し、冷戦の緊張がさらに高まる80年代ニューヨークを舞台に、多感かつ繊細な12歳の少年ポールが培っていく友情、そして微妙な変化を迎える家族との関係を通して、時代を取り巻く理不尽や不公平を浮き彫りにする本作。生きづらさの中に滲む「理解と愛」に寄り添い、同時に、自分の「無力さ」を噛みしめ、世の中に折り合いをつけながら日々を営む人々の姿を痛烈かつエモーショナルに映し出した逸品。

24
06月

ウィ、シェフ!(6/24~7/7)

2023ouichef.jpg
“おいしい” が未来を変える

監督:
 ルイ=ジュリアン・プティ
出演:
 オドレイ・ラミー
 フランソワ・クリュゼ
 シャンタル・ヌービル
 ファトゥ・キャバ
 ヤニック・カロンボ
 アマドゥ・バー
原題:
 La Brigade
製作:
 2022年製作/G/フランス
上映時間:
 97分
配給:
 アルバトロス・フィルム

2023ouichef-1.jpg

元一流レストランのスーシェフ v.s 強制送還寸前の少年たち
料理がハートを熱くする! 観たら作ってみたくなる!
ドラマチック・キッチン・コメディ

2023ouichef-6.jpg

その一皿が、新しい未来を連れてきた——。

一流レストランのスーシェフとして働くカティ。夢はいつか自分のレストランを開くこと。だが、シェフと大ゲンカして店を飛び出し、ようやく見つけた職場は移民の少年たちが暮らす自立支援施設だった。質より量、まともな食材も器材すらない。不満をぶつけるカティに施設長のロレンゾは少年たちを調理アシスタントにするアイデアを提案する。フランス語がちょっと苦手な少年たちと、天涯孤独で人づきあいが苦手なカティ。料理が繋げた絆は少年たちの将来だけでなく、一匹狼だったカティの世界も変えてゆく・・・。

2023ouichef-2.jpg

フランス語がちょっと苦手な少年たちと、人づきあいが苦手なシェフのカティ。
実在の移民支援プロジェクトから生まれたドラマチック・キッチン・コメディ

移民大国フランス。様々な事情を抱え、危険を冒して単身フランスにたどり着いた未成年の移民たち。彼らを調理師として育成し、フランスでの安定した暮らしを手に入れさせようと奮闘する実在のシェフ、カトリーヌ・グロージャンをモデルに、これまでもフランスが抱える深刻な問題を社会派コメディとして発表してきたルイ=ジュリアン・プティがメガホンを取った。出演はフランスを代表する女優オドレイ・ラミー、『最強のふたり』など日本でも高い人気を誇るフランソワ・クリュゼ、そしてオーディションから選ばれた40人の実際の移民の少年たちだ。

2023ouichef-3.jpg

レストランを開く夢に向かって突っ走ってきたカティと、自由と平和を求めてフランスへたどり着いた少年たち。ままならない人生に翻弄される彼らがエシャロットとナイフを手にしたとき、予想外の未来図が立ち上がる。料理がハートを熱くする、ドラマチック・キッチン・コメディ!

24
06月

星に語りて Starry Sky(6/24(土)~6/29(木))

2023starrysky.jpg
2011年3月11日 東日本大震災 障害のある人と支援者の物語。

監督:
 松本動
脚本:
 山本おさむ
出演:
 要田禎子
 螢雪次朗
 今谷フトシ
 植木紀世彦
 枝光利雄
 菅井玲
 入江崇史
 宮川浩明
 生島ヒロシ
 赤塚真人
上映時間:
 115分
製作:
 きょうされん
 2019年製作/日本

第37回(2019年度)日本映画復興奨励賞 受賞
『JAPAN CONNECTS HOLLYWOOD 2020』"BEST PICTURE"(最優秀作品賞) 受賞

特別料金:
 一般 1,000円/高校生以下、障がい者 500円
 ※ バリアフリー上映となります

上映スケジュール:
 6/24(土) 15:00~
 6/25(日)~29(木) 19:00~
 ※ 上映は6/29(木)までとなります。30(金)は上映がございません。ご注意ください。

2023starrysky-1.jpg

2011年 3月11日
障害者の状況と支援者の活動を描く劇映画
「星に語りて~Starry Sky~」

舞台の一つは、岩手県陸前高田市。高台にある共同作業所「あおぎり」では、津波の直接的な被害は免れたものの、仲間の一人を失って落胆する利用者たちを女性所長が励ましながら、一日も早く障害のある人が日常を取り戻せるように一歩を踏み出そうとしていた。また全国障害者ネットワークでは、東京、秋田、岩手、福岡など全国のグループが連携して支援活動を始めようとしていた。そんな矢先、「障害者が消えた」という情報が入ってきた。多くの避難所をまわっても、障害のある人の姿がほとんど見当たらないというのだ。

2023starrysky-3.jpg

一方、福島第一原子力発電所事故によって避難を余儀なくされた地域の一つ、南相馬市では、避難できずに取り残されている障害のある人の存在を知った共同作業所「クロスロードハウス」の代表らが、自らの手で調査に踏み切ろうとしていた。しかし、各地の障害のある人の安否確認を進める中で、彼らに立ちはだかる障壁があった。それは、個人情報保護法によって開示されない、障害のある人の情報だった。法律によって守られる人権と、一刻を争う人命救助との狭間で苦しむ支援者たち。前項障害者ネットワークでは、この障壁を打ち破る手立てを模索していた。

2023starrysky-2.jpg

『きょうされん』では、これまでに4回の映画製作・上映活動を続けてきました。40周年記念事業として製作された、今から100年前に精神病者を救おうと奔走した呉秀三の功績を描くドキュメンタリー映画「夜明け前」に次ぐ5回目の作品は、大災害時における障害のある人の状況と支援者の活動を描く劇映画です。 2011年3月11日午後2時46分18秒、宮城県の牡鹿半島東沖で発生したマグニチュード9.0のわが国観測史上最大の地震。東日本大震災による傷跡は、未だに人々の心の中に深く刻まれています。しかし、1万8千人を超える死者の中で、障害のある人の死亡率が全住民の2倍だという事実を知る人は少ないのではないでしょうか。この映画は、当時を知る証言者たちへの取材に基づき、その知られざる実情を山本おさむ氏の脚本と新進気鋭の松本動監督によって描き出す群像劇です。実力派俳優陣に加え、障害当事者を出演者として起用し、人間味あふれるドラマが繰り広げられます。