09
10月

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ [1975](10/9~10/15)

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必要なのは2つだけ。美しい恋愛と音楽―

監督:
 セルジュ・ゲンズブール
出演:
 ジェーン・バーキン
 ジョー・ダレッサンドロ
 ユーグ・ケステル
 ルネ・コルデホフ
 ジェラール・ドパルデュー
 ミシェル・ブラン
 ジミー・デイビス
原題:
 Je t'aime moi non plus
上映時間:
 90分
製作:
 1975年製作/フランス
映倫区分:
 R18+
配給:
 セテラ・インターナショナル

セルジュ・ゲンズブール 没後30周年

殺伐とした、暴力が満ち溢れた世界。
運命の愛は、すべてを超える―――。

トラックでゴミ回収を生業とするポーランド人のクラスキーと、イタリア人のパドヴァン。2人は、仕事仲間以上の強い絆で結ばれていた。ある日2人は、立ち寄ったカフェバーで、男の子かと見間違うほどのショートカットでボーイッシュな女の子、ジョニーと出会う。彼女は、飲んだくれでパワハラ気質の主人に反発しながらも、ほかに行き場もなく働いていた。その夜、クラスキーとジョニーはダンスパーティで意気投合。しかし、実はクラスキーはゲイだった。それでも惹かれ合う二人は身体を重ねるが…。

放送禁止となった愛の結晶
不朽の名曲が彩る恋愛映画の傑作がスクリーンによみがえる
1969年にリリースされた、セルジュ・ゲンズブールの代表曲で、ジェーン・バーキンとのデュエットソング「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」。
楽曲のリリース後、あまりにも官能的で大胆な内容に当時のローマ法王は激怒し非難。BBCやイタリア国営放送をはじめ、ヨーロッパのほとんどでは放送が禁止となった。それにも関わらず、イギリスでは外国語楽曲として初のシングル・チャート1位を記録。本国フランスや日本を含め、世界的に大ヒット。ラブソングの名曲として今なお愛され続けている。

映画『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』は同楽曲をモチーフに映画化された作品。映画音楽を手掛け、俳優として映画に関わっていたゲンズブールが初めてメガホンを取った。
舞台は、アメリカの田舎を彷彿とさせながらも、どことはわからない文明社会のゴミ捨て場。マイノリティが虐げられ、暴力が蔓延する世の中。そこに生きる、愛なしには生きることができない哀しい人々。随所に「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」のインストゥルメンタル版を使用し、愛の素晴らしさを美しく描き出した。
1975年のフランス公開時、ヌーベル・ヴァーグを代表する映画監督フランソワ・トリュフォーからは絶賛されるも、当時ロングヘアのイメージだったジェーン・バーキンが本作では短髪となったことはあまりに衝撃が大きく「ゲンズブールはバーキンをゴミ箱へ入れた」と酷評。また赤裸々な同性愛の描写ばかりが強調され、描かれた本質的な部分やユーモアは理解されなかった。イギリスなどでは、性表現のきわどさから上映禁止。日本でもすぐには公開されず、フランス公開から8年後の1983年に性的なシーンは修正の上、英語版で公開された。 一方で、1995年のリバイバル上映時には修正が加えられたものの、大ヒット。上映されるたびに多くのファンに賞賛されてきた本作が、ゲンズブール没後30年となる今年、待望の4K完全無修正版となり、オリジナル版で鮮やかに美しくよみがえる。

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