08
10月

王女メディア [1969](10/8、11、13)

Medea.jpg
あるいは、愛の過剰さについて。

監督:
 ピエル・パオロ・パゾリーニ
衣装:
 ピエロ・トージ
出演:
 マリア・カラス
 マッシモ・ジロッティ
 ローラン・テルジェフ
 ジュゼッペ・ジェンティーレ
 マルガレート・クレメンティ
原題:
 Medea
製作:
 1969年製作/イタリア・フランス・西ドイツ合作
上映時間:
 111分
映倫区分:
 G
配給:
 ザジフィルムズ

ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年!
初公開から50年を経て甦る、奇跡のコラボレーション!
「テオレマ 4Kスキャン版」「王女メディア」

異彩の映像詩人パゾリーニが描ぐ“女の復讐劇”

イオルコス国王の遺児イアソンは、父の王位を奪った叔父ペリアスに王位返還を求める。叔父から未開の国コルキスにある〈金の羊皮〉を手に入れることを条件に出され旅に出たイアソンは、コルキス国王の娘メディアの心を射止めて奪還に成功。しかし祖国に戻ったイアソンは約束を反故にされ、メディアと共に隣国コリントスへ。そこで国王に見込まれたイアソンは、メディアを裏切って国王の娘と婚約してしまう。メディアは復讐を誓い…。

不世出のディーヴァ
マリア・カラス 唯一の映画主演作
ふたたび劇場に舞い降りる
1975年11月2日、ローマ郊外で非業の死を遂げて45年以上の時を経た今もなお、世界中のシネフィルに支持される異才ピエル・パオロ・パゾリーニ。生誕100年を迎える2022年、世紀の歌姫マリア・カラスとの奇跡のコラボレーションによって生まれた復讐劇『王女メディア』が2Kレストアでスクリーンに甦ります。

『アポロンの地獄』(67)で初めて古代ギリシャを題材にとったパゾリーニは、エウリピデスのギリシャ悲劇「メディア」を元に、再び神話世界の映像化を構想しました。この企画が本格的に動き出したのは、一切のオファーを断り続けていた歌姫マリア・カラスが、「この映画だけは断れない」とメディア役を承諾したため。当時カラスは、9年にわたり愛し続けた恋人に裏切られた時でした。失意の底で落胆していた彼女でしたが、ひとりの女性としてのメディアを描こうとするパゾリーニに応えるように、愛の苦悩を背負う壮絶なヒロイン像を演じ切りました。

特筆すべきはその劇伴で、イラン、チベット、インド等世界各国の民族音楽が使用され、中でも日本の地唄や箏曲そうきょくが印象的に使われています。主にロケの行われたトルコ・カッパドキア地区のギョレメの幻想的な岩窟群、ピエロ・トージによる美しい衣装の数々も大きな見どころ。様々な文化が入り混じった、パゾリーニにしか描けない唯一無二で独創的な神話世界をご堪能ください。



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