10
12月

宮松と山下(12/10~12/23)

miyamatsu_yamashita.jpg
名もなき誰かを演じ、名もなき自分を演じる。

監督・脚本・編集
 監督集団「5月」gogatsu
 関友太郎
 平瀬謙太朗
 佐藤雅彦
出演:
 香川照之
 津田寛治
 尾美としのり
 野波麻帆
 大鶴義丹
 尾上寛之
 諏訪太郎
 黒田大輔
 中越典子
製作:
 2022年製作/日本
上映時間:
 87分
映倫区分:
 G
配給:
 ビターズ・エンド

昨日までの自分を失ったら、
何を演じたら良いのだろう。

宮松は端役専門のエキストラ俳優。
ロープウェイの仕事も掛け持ちしている。
時代劇で大勢のエキストラとともに、砂埃をあげながら駆けていく宮松。
ヤクザのひとりとして銃を構える宮松。
ビアガーデンでサラリーマンの同僚と酒を酌み交わす宮松。
来る日も来る日も、斬られ、撃たれ、射られ、時に笑い、そして画面の端に消えていく。
そんな宮松には過去の記憶がなかった。

ある日、谷という男が宮松を訪ねてきた。
宮松はかつてタクシー運転手をしていたらしい。
藍という12歳ほど年下の妹がいるという。
藍とその夫・健一郎との共同生活が始まる。
自分の家と思えない家にある、かつて宮松の手に触れたはずのもの。
宮松の脳裏をなにかがよぎっていく・・・。

ある日は時代劇で斬られ、
ある日は弓で射られ、
ある日は凶弾に倒れ……
記憶喪失の男、宮松はなぜ名もない人物を毎日演じ、
毎日死に続けるのか。
宮松は端役専門のエキストラ俳優。来る日も来る日も、名もなき登場人物を生真面目に演じ、斬られ、射られ、撃たれ、画面の端に消えていく。真面目に殺され続ける宮松の生活は、派手さはないけれども慎ましく静かな日々。そんな宮松だが、実は彼には過去の記憶がなかった。

なにが好きだったのか、どこで何をしていたのか、自分が何者だったのか。
なにも思い出せない中、彼は毎日数ページだけ渡される「主人公ではない人生」を演じ続ける。
ある日、宮松の元へある男が訪ねてくる……。

日本を代表する映画俳優 香川照之、単独主演作で演じるのはエキストラ!さらに、
津田寛治、尾美としのり、中越典子ら名優たちが集結!

各分野で八面六臂の活躍を続ける香川照之が、ポン・ジュノ監督作品『TOKYO!〈シェイキング東京〉』、黒沢清監督作品『トウキョウソナタ』に主演した2008年以来の単独主演作品として選んだ『宮松と山下』。常に圧倒的な存在感を見せてきた香川が本作で挑んだのは、エキストラ俳優・宮松。日替わりどころか分刻みで端役を演じる記憶を失った男を、繊細に複雑に演じ切った。その実体感ある人物造形は、他の追随を許さぬ、香川ならではの境地だ。香川を支える共演者たちも実力派が揃った。津田寛治、尾美としのり、中越典子らが、口数の少ない宮松の謎に包まれた現在と過去を展開し、観客の目をくぎ付けにする。

カンヌ短編部門、サンセバスチャン、クレルモン・フェランなど、結成以来、
数々の国際映画祭で招待上映され続ける監督集団「5月」による長編デビュー作。

“新しい手法が生む新しい映像体験”を標榜し、過去に2本の短編映画が
カンヌ国際映画祭から正式招待された監督集団「5月」。
数多くの名作CMや教育番組「ピタゴラスイッチ」を手掛けてきた東京藝術大学名誉教授・佐藤雅彦、
NHKでドラマ演出を行ってきた関友太郎、多岐にわたりメディアデザインを手掛ける平瀬謙太朗の3人からなる
「5月」による初長編監督作品が『宮松と山下』だ。日本において、オムニバスではない
共同監督作品は非常に珍しい。類まれなる才能が文字通り集結し、生み出したのはこれまでにない
映像体験を伴う物語。観客は次に何が起こるのか予測不能な映像迷路を彷徨いながら、
ラストシーンにたどり着き、香川照之の微かに変化していく表情に胸をつかまれるのだ。

関連記事

0 Comments

Leave a comment