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08月

マルセル 靴をはいた小さな貝(8/26~9/8)

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貝だって人生は、ままならない

監督/脚本/アマチュア映画作家ディーン役:
 ディーン・フライシャー・キャンプ
脚本/マルセル・声:
 ジェニー・スレイト
祖母コニー・声:
 イザベラ・ロッセリーニ
脚本/編集:
 ニック・パーレイ
原題:
 Marcel the Shell with Shoes On
製作:
 2021年製作/G/アメリカ
上映時間:
 90分
配給:
 アスミック・エース

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生きづらくて素晴らしい、この世界。貝だって人生は、ままならない。
かつて見たことのない“おしゃべりな貝”の大冒険を通して、
世界を新たな視点でのぞいてみませんか?

体長25センチ。名前はマルセル。
おしゃべりで好奇心あふれる貝。
祖母のコニーと一軒家でふたり暮らし。
ある日家に越してきた映像作家のディーンと出会い、
初めて人間の世界を知ることに。
離れ離れの家族を見つけるため YouTube に動画をアップしたところ、
SNS上で瞬く間にバズリ、一躍全米の人気者になるのだが・・・!?

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YouTube からアカデミー賞® へと駆け上がった、かつてない映像体験!
A24 北米配給で全世界を席巻!
前代未聞の [実写×ストップモーション] モキュメンタリー!

第95回アカデミー賞長編アニメ映画賞ノミネート、第80回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞ノミネート、第50回アニー賞3部門受賞など名実ともに輝かしい評価を獲得している話題作『マルセル 靴をはいた小さな貝』。実写映像とストップモーションを組み合わせ、監督自身が本人役で出演するなど、フィクションでありながらもドキュメンタリーのように見せかけたモキュメンタリー手法で、“たった2.5センチの、靴をはいたおしゃべりな貝”マルセルの姿をコミカルに、エモーショナルに描く。

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本作は、2010年から2014年にかけてYouTubeで順次公開され、累計5000万回再生を記録した短編作品を長編映画化したもの。短編作品は監督とマルセルの声を担当したジェニー・スレイトがふたりだけで作り上げ、時にアドリブ演技を加えて2日足らずで製作。長編映画化に際してはすべて実在のロケ地で、大まかな筋書きに基づくアドリブ演技を収録し、7年もの歳月をかけて完成させた。

監督を務めたディーン・フライシャー・キャンプは本作の高評価を受け、YouTubeから躍り出た新世代クリエイターとして、『リロ&スティッチ』実写リメイク版の監督にも抜擢された。今、映像作家として最注目のひとりである。

全米公開前から世界の映画祭で話題沸騰だった本作。『ミッドサマー』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』などで知られる製作・配給会社A24が複数のハリウッドメジャーとの熾烈な競争の末に北米配給権を獲得したことも大きな話題に。2022年6月24日に全米6館限定で公開され、館アベレージ2.8万ドル(初動3日間)という高稼働率を記録した。

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おしゃべりで好奇心旺盛な貝というマルセルのキャラクターや、祖母コニーとのハンドメイド感あふれる微笑ましい生活も魅力だが、テーマの現代性も本作の面白さのひとつ。マルセルは家族を探すためにSNSに動画をアップするが、瞬く間に全米の人気者になってしまい、野次馬が家にまで押し掛けたことで大切な祖母との日常が脅かされてしまう。周りが騒ぎ立てれば立てるほど、孤独感に苛まれるマルセル。

家族を探して広い世界に飛び出していくことと、日常を守ること。ふたつの狭間で悩むその姿は、SNS全盛の時代を生きる私たちにとって決して他人事ではなく、胸を揺さぶられる。

そのような現代的なテーマを含みつつ、たった2.5センチの貝が悩み、新しい出会いや別れを通して人生を切り開いていく様はある種普遍的な成長譚でもある。全米メディアが評するとおり、マルセルは私たちが忘れてしまいがちな喜びと悲しみにあふれたこの世界の美しさを、改めて教えてくれる。

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