02
12月

6月0日 アイヒマンが処刑された日(12/2~)

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描かれることのなかった最後の舞台裏を今、あなたが目撃する。

監督/共同脚本:
 ジェイク・パルトロウ
共同脚本:
 トム・ショヴァル
出演:
 ノアム・オバディア
 ツァヒ・グラッド
 アミ・スモラチク
 ヨアブ・レビ
 トム・ハジ
原題:
 June Zero
製作:
 2022年製作/G/イスラエル・アメリカ合作
上映時間:
 105分
配給:
 東京テアトル

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僕が歴史に触れ、歴史が僕に触れた。
激動の時代に彼らが見たものとは――

1961年。4か月に及んだナチス・ドイツの戦争犯罪人、アドルフ・アイヒマンの裁判に、死刑の判決が下された。リビアから一家でイスラエルに移民してきたダヴィッド(ノアム・オヴァディア)は、授業を中断してラジオに聞き入る先生と同級生たちを不思議そうに見つめていた。
放課後、ダヴィッドは父に連れられて町はずれの鉄工所へ向かう。ゼブコ社長(ツァヒ・グラッド)が炉の掃除ができる少年を探していたのだ。ヘブライ語が苦手な父のためにと熱心に働くダヴィッドだったが、こともあろうか社長室の飾り棚にあった金の懐中時計を盗んでしまう。それはゼブコがイスラエル独立闘争で手に入れた曰く付きの戦利品だった。
居心地の悪い学校を抜け出し、ダヴィッドは鉄工所に入り浸るようになる。左腕に囚人番号の刺青が残る板金工のヤネク(アミ・スモラチク)や技術者のエズラ、鶏型のキャンディがトレードマークのココリコなど、気さくな工員たちはダヴィドをかわいがってくれる。ゼブコも、支払いのもめ事を解決してくれたダヴィッドに一目置くようになる。そんな時、ゼブコの戦友で刑務官のハイム(ヨアブ・レビ)が設計図片手に、極秘プロジェクトを持ち込んできた。設計図はアウシュビッツで使われたトプフ商会の小型焼却炉。燃やすのはアイヒマン。工員たちに動揺が広がる——。

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ナチス戦犯 アドルフ・アイヒマン
 最期の日々

第二次世界大戦下のナチス・ドイツ。「最終解決」においてユダヤ人を強制収容所に送り込み抹殺する計画立案者だったアドルフ・アイヒマンは、敗戦の混乱に乗じて戦争捕虜収容所から脱走し、5年後、アルゼンチンへとたどり着いた。1960年にイスラエル秘密諜報機関(モサド)は、アルゼンチンに潜伏中のナチス・ドイツの大物戦犯、アイヒマンを拉致し、イスラエルへと極秘連行。4か月にわたる裁判の末、イスラエル政府はアイヒマンに61年12月に死刑判決を下し、翌年5月31日から6月1日の真夜中《イスラエル国家が死刑を行使する唯一の時間》の“6月0日”に絞首刑に処した。遺体は火葬され、遺灰はイスラエル海域外に撒かれたことが知られている。

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誰が、どうやってアイヒマンの遺体を火葬したのか?
秘密裏に製作されることになった焼却炉プロジェクト

アイヒマンの逮捕劇や裁判は『オペレーション・フィナーレ』(18)、『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』(16)、『スペシャリスト/自覚なき殺戮者』(99)など多くの作品が伝えてきた。しかし、どの作品でも触れない点がある。実は、人口の9割がユダヤ教徒とイスラム教徒を占めるイスラエルでは律法により火葬が禁止されており、火葬設備が存在しないのだ。では、誰が、どうやってアイヒマンの遺体を火葬したのか? 遺体処理の極秘プロジェクトに巻き込まれたワケあり町工場の人々、居場所のないリビア系移民の少年、アイヒマンを監視する護衛、ホロコーストの生存者で裁判ではアイヒマンを尋問した捜査官と、イスラエルの片隅に生きる人々を通して、アイヒマンの最期の6ヶ月の“真相”をあなたは目撃する!

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