01
01月

2008年 映画『靖国』YASUKUNI(旧HP)

CATEGORYイベント


Metro Movie Theater
1-2-14Junka Fukui City Japan


メトロ劇場
 
〒910-0023
福井市順化1-2-14

Tel 0776-22-1772

メトロ  平和と環境のサイト  For Peace

2008

映画『靖国』  YASUKUNI    
   
         7月12日--7月25日   終了
       追加上映  8月16日--9月6日  終了
       
 
7月の上映 大盛況のうちに無事終了しました。
靖国を観る会の参加団体皆様、本当にありがとうございました。
懸念された右翼による上映妨害の行動もなく、市民による上映会が成功して本当によかったです。
支える弁護士の会の皆様による自主警備とご指導ありがとうございました。

8月の上映も予定どおりしますのでよろしくお願いいたします。


市民の会前売り券 8月上映も有効です。ご利用ください    7/26
映画「靖国」を理解するためのメモ ’08 8/6 版 アップロードしました 

 8月16日--9月6日      上映時間 
8/16~8/22   ①11:00 夜19:00
8/22~9/5     ①11:00 

 
主催 
映画『靖国』を観る市民の会・福井   

市民の会前売り券 発売開始  前売1000円(通常1500円) 

 チケットは,以下の各団体で取り扱っています。
 チケットをほしいという方は以下の各団体までお問い合わせください。
 ●福井映画サークル
 ●
メトロ名作上映会(メトロ劇場内)
 ●福井県平和・環境・人権センター
 ● 映画「靖国」上映を支える弁護士の会・福井


* 映画『靖国』を観る市民の会・福井  設立アピール

*   メトロ名作上映会のコメント  

  映画「靖国」の李纓監督より公開予定劇場へのメッセージ

 * Comment of Metro Cinema Club (English)  

* 映画「靖国」を理解するためのメモ ’080806

 * 映画「靖国」上映を支える弁護士の会・福井  http://www.ne.jp/asahi/yasukuniben/fukui/


 

DATA  メトロ  平和 のサイト For Peace

2007年 2008年 DATAは BACKLIST を参照ください


  2006 終戦61周年企画   ニッポンの終戦

   2006  終戦61周年 『映画をとおし 戦争と平和を考える』 

   2005 終戦60周年企画  ヨーロッパ編  

   2005 終戦60周年上映会  『日中戦争、太平洋戦争を忘れない』  2005.8.6 --2005.8.19
 
    "
We Never Forget W.W.2 in Asia for Peace "  English

映画『靖国』を観る市民の会・福井」   設立アピール

1 中国人の李纓(リ・イン)監督が約10年間にわたり靖国神社等を取材して制作したドキュメンタリー映画「靖国」について,上映中止という残念な事態が進行しています。
 文化庁所管の独立行政法人による助成金支出を一部の自民党国会議員が問題視し,また一部週刊誌が同趣旨の記事を書いたことで,右翼団体が騒ぎはじめ,右翼団体の街宣活動などを警戒した東京,大阪等の映画館が「近隣に迷惑がかかる」などの理由で4月12日の予定だった封切りを中止しました。
 社会的問題を扱う映画,大切な文化である映画が,私たち市民の目に触れる前に政治家や一部週刊誌に一方的なレッテルを貼られ,右翼団体から妨害を受けて葬られる,そんな社会でいいのだろうか?――このことが,私たちに問われています。

2  いうまでもなく,映画の上映は日本国憲法の保障する表現の自由に含まれるものであり,映画を観ることは市民の知る権利の重要な一環です。これらの権利は,この日本が民主主義の社会であり続けるために,最も大切にすべき権利であるはずです。それが今,土台から掘り崩されようとしているのです。
 観たい映画が観られなくなる,そんな暗い社会は,誰もがご免被りたいものですが,今,私たち市民が声を上げなければ,未来にはそうした暗い社会が待っているのではないか,そのことを私たちは強く危惧しています。

3 私たち「映画『靖国』を観る市民の会・福井」は,「まずはともかく映画を観たい」「映画上映が不当な圧力に妨害され,市民の権利や映画という文化が潰されることは絶対に許せない」という強い思いを一致点として,幅広い個人・団体が集まって作った市民団体です。
 いま全国で,多くの人たちが,私たちと同じように映画「靖国」を観たいと思っています。様々な妨害にもかかわらず,上映を決めた映画館が全国で9館,上映に向け調整中の映画館が14館となっています。法律家,マスコミ関係者,映画人,ジャーナリストなど,多くの人々による妨害に抗議する活動も進んでいます。私たちも,こうしたたくさんの市民・団体と一緒に,「誰もが観たい映画を自由に観られる社会」を守りたい,と思っています。
 私たちは,こうした立場から,不当な妨害にさらされた映画「靖国」の上映会を企画し,市民の皆さんに,一緒に映画「靖国」を観ることを広く呼びかけるものです。
  

2008年4月28日
           
               映画「靖国」を観る市民の会・福井

      
     呼びかけ団体
         福井映画サークル
         メトロ名作上映会
         福井県平和・環境・人権センター
         映画「靖国」上映を支える弁護士の会・福井

                                                                                                                                         
  映画「靖国」を観る市民の会・福井  発足に向けて                
                                     メトロ名作上映会のコメント  サンプルDVDを検討して

映画「靖国」の李纓(リ・イン)監督 を支持し上映を成功させよう
                      
       4月28日

映画「 靖国 YASUKUNI 」とは  
靖国思想、皇国思想の精神的支え・核心であった神秘的なベールに包まれた靖国神社。永住権のある在日中国人監督が 靖国神社と靖国神社をめぐる人々の今の考え方、姿、心情を最大限に理解しようとして作製したドキュメンタリー映画です。
大東亜共栄圏をつくる皇軍、神国日本 英霊を祀る(まつる)等々不思議な言葉の数々。 遺族会など一般の参拝者へのインタビュー。そのあいだに写し出される様々な軍服・戦闘服・制服で行進参拝する人々の姿。・・・やがてそれはかれらが靖国にふさわしいとする心情を体現したものだと気づく。 
合祀(ごうし)に異を唱える人々に対する神社側の応対や 神社境内から反対者を排除する人の姿・・・日本民族の優越性を主張する国粋主義を体現していることを理解する。そして、靖国神社での式典や参拝での様子から靖国神社支持の動きが国の指導者層にまで広がってきていることを克明に記録する。
戦後60年。靖国参拝は続いた。いま戦後世代に“愛国”ということばとともに靖国参拝運動として受け継がれようとしている―――。


平和を守るための 市民の知る権利 
福井映画サークルをはじめ市民の皆様と戦争を考え平和のための映画を上映し続ける中で知りえたことは、現代、世界各地でおきている内戦・地域紛争・戦争はナショナリズムを逸脱してその民族の優越性をかかげ他民族の排除にむかったときおきていることが多いということです。そのたびに、民衆の悲痛な叫びを聞きます。涙もかれた絶望の眼を見ます。共通な言葉は、『平和で豊かな社会だった。』『貧しくとも心豊かな社会だった。』『昨日まで人種や考えをことにした人々が隣人だったのに。』『まさかこのような深刻な分裂・対立、筆絶の惨状になろうとは思っていなかった・・。』その後の荒廃も長く続き、和解へどれだけの努力と時間を要するか教えています。
日本は民主国家だから大丈夫というわけではありません。民主主義においては多様な文化・考え方・多様な人々との共存を前提とするがゆえに、いろいろな問題を内包しています。日本の平和と民主主義にとっては国内においても、また国際間においても、その問題を平和的に対処できるよう、強く、辛抱強くあるべきですし、そのためにはその問題の本質を知っていなければならないのです。この映画は平和を考え、守っていくうえで貴重な情報を伝える映画です。


映画「靖国」をめぐる現在の状況 映画「靖国」を観る市民の会・福井 発足に向けて

映画「靖国」上映予定映画館が右翼団体等による妨害をうけ上映を中止したことが広く報道されました。その後、上映館が再編成され5月3日よりの全国順次公開予定が公表されました。しかし、直接の上映妨害の恐れは消えたわけでなく、むしろ、右翼団体による事実上の検閲というべき右翼団体への試写会を容認してしまうなど、その右傾化の影響で、映画関係者ばかりでなく、多方面にわたり、沈黙と、自主規制が広がっています。
メトロ劇場には、映画「靖国」の上映の要望がファックス、ホームページ上の書き込み、電話などを通してあります。また上映希望アンケートのなかで 投票数が一番多い作品が映画「靖国」です。しかし、一映画館としては東京・大阪等で起きたような妨害に対して耐えられません。
本日 幸いにも 映画「靖国」を観る市民の会・福井が発足することとなり、映画「靖国」の上映が市民上映会としてできるようになりました。この会の手による映画「靖国」上映は、市民の知る権利と表現・言論の自由を実現・行使することになると考え、メトロ劇場はメトロ名作上映会として参加します。

映画「靖国」の李纓(リ・イン)監督 を支持し上映を成功させよう
4月21日に映画「靖国」の李纓監督より公開予定劇場へのメッセージが届いています。李纓監督が様々な中傷・妨害に耐えながらも、この映画「靖国」によって日本の市民に伝えたいこととは何なのか、是非ご覧になってください。

                                                                                              メトロ名作上映会

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映画「靖国」の李纓監督より公開予定劇場へのメッセージ

映画『靖国』の公開劇場の皆様へ

この度は、映画『靖国』の上映をお引き受けいただき、大変ありがとうございます。
稻田朋美および有村治子、両国会議員による政治介入に端を発したこの度の上映妨害の動きにつきまして、皆さまのところにはマスコミ各社による報道を通して、事態の推移が伝わっているものと存じます。
映画『靖国』に対する不当な圧力から映画上映を守るべく、すでに弁護団が結成され、李纓(リ・イン)監督、製作会社龍影、および配給会社を強力にバックアップする体制がつくられております。
さらに今回の問題を、広く「表現の自由」及び「知る権利」への侵害と捉え、ジャーナリストによる連絡会も準備されました。
なお、一部マスコミで報道された以下の点につきましても、全くの不当な映画への検閲であり弾圧であると捉えています。
映画にご出演いただいている刀匠の刈谷氏には、映画完成の時点でお見せし承諾を得ており、先日のマスコミ取材に対しても、ご本人は上映中止の意思のない旨の発言をされております。
また、撮影時の許可等に関する靖国神社からの質問状につきましても、何ら当方に問題点はなく、現在弁護士を通して回答書を準備中です。
今回の件につきまして、多くの一般の方々から励ましのご連絡をいただいておりますが、映画『靖国』の上映成功に向け、劇場の皆さまとともに粛々と公開の準備を進めてまいる所存です。
皆さまには引き続きお世話をおかけいたしますが、今後ともご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

  2008年4月21日


                     映画『靖国』製作会社 龍影
                           映画監督  李 纓


Our right to know ------ for our democratic society to keep peace  


We, Metro Cinema club, with Fukui citizen, especially, with the Fukui Movie Circle Community had many chance to show great anti-war movies to keep peace. 
And we recognized these important facts.
1: Recent days, civil war or war occurred in case the people or the race thought superior to another with hot and narrow nationalism and at last, begun holocaust. 
2: In these wars, we always hear the same murmur.
”That was so peaceful and wealthy society.” ”That was not wealthy but warm society.” ”They were good neighbors with different religion or ideology, even another race.” “I can not believe! And, Why?” 
3: After the war or after stopping the war, disastrous and miserable society continues for a long time, with peoples depressed, with difficulty to rebuild. 

Is democracy so strong to endure such emergency in Japan? Recently, we know democracy depends upon many different cultures, races, thoughts, senses of value and various histories, so that it contains many problems in itself. To keep Japanese safety and peace, basically our Japanese democracy, we must have strong mind and be patient for such problems internal or international in peacefully. And to do so, our right to know fundamental truths is most important right to analyze, judge, deal and solve. 
This movie, “YASUKUNI”, has very important information to keep Japanese peace and democracy.


Present Circumstances about the movie “YASUKUNI”
We knew on TV or newspaper that almost all theaters canceled the schedule to show the movie “YASUKUNI” to fear the violence of “UYOKU” troop, ultra-nationalists. After that, we knew the announcement of the restart of the show in another theaters from May 3. But the fear of violence hasn’t disappeared. Rather, the dark mist of violence is spreading. And mass-communication wrote or announced the premium show for “UYOKU” with their opinion without critics. We must recognize that was just the inspection by ultra-nationalist. The influence of dark mist is spreading not only movie community but also journalists or more. And it brought silence and surface obedience, like just before beginning of Nazism. 
We, Metro Movie Theater, accepted many requests of “Yasukuni” by Fax, BBS on HP or by telephone, and also great request of visitors’ votes of request. But Metro, as a commercial theater, cannot endure such disturbances and fear for violence and loss.

Today, fortunately, we gathered together as the Citizen Community to see the movie “YASUKUNI” in Fukui. And we Fukui citizen will be able to see the movie by ourselves. Under democratic rule in emergency of democracy, we, Metro Movie Theater, join the community as Metro Cinema Club. Because, we believe that the showing the movie “YASUKUNI” by this community is just doing and realizing of freedom of speaking and expression also our right to know.

           April 28             
                           Metro Movie Theater, Fukui
                           Metro Cinema Club

 


映画「靖国」を理解するためのメモ 

           市民による「靖国」上映運動を進めながら知りえたこと  

      
                                                  メトロ名作上映会                  Last ‘080806

靖国神社
  
    1945年8月終戦まで 日本帝国陸海軍は戦争等軍務によって死者がでたとき、国家神道により靖国神社に 神霊(靖国の大神)・英霊 として合祀して死者・遺族へ名誉を図っていた。この靖国神社を頂点とする国家神道は日本帝国の戦争遂行上の精神的支柱であった。 
旧日本軍将校がもつ軍刀、日本軍の象徴・・・菊と刀。靖国神社は、剣と鏡をご神体とする。靖国神社境内では昭和8年より終戦まで古式の製法を復活して軍刀・靖国刀がつくられていた。軍刀は占領地での日本軍およびその軍政下の圧制の記憶 処刑に使われた記憶と結びつく(映画「靖国」にはそのような写真も出てくる。)

皇国思想  
 
皇国思想では、日本国民(日本民族)は他の民族より優越していて、日本を中心とした秩序になるべきであるとした
(八紘一宇 はっこういちう:天皇人間宣言で否定された考え方)。
日本は植民地の皇民化政策をとり各地に神社をつくった。

台湾神宮、朝鮮神宮、関東神宮(旅順)、南洋神社、建国神廟( 満州1940年::祭神は兄の国日本の神 天照大神) etc. 


日本帝国の戦争 
1931年 満州事変。内戦中の中国の東北部を占領。満州国(1932年)を作り植民地化。

1937年 支那事変。中国全土に日本軍は侵攻した。(日中戦争:中国は侵略され、広大な地域が占領された。中国は抗日民族統一戦線を結成し、国民政府は首都を南京から重慶に移して抗戦。事実上の全面戦争化し、日本は最高統帥機関・大本営を設置)

1938年 第1次近衛内閣は この戦争の究極の目的を東亜に於ける新秩序の建設とし、 現代日本国民に課せられたる光栄ある責務なり、また 列国(欧米諸国)も帝国(日本)の意図を正確に認識し、東亜の新情勢に適応すべき(日本の作る秩序を認めるべき)とした。(今次征戦:11月3日近衛内閣発表:しかし英・米・ソは中国を物的・人的に支援した。) 
同年 国家総動員法制定(政府は戦時に国防のため勅令で人的・物的資源を統制運用し、出版物を制限する)

1939年(昭和14年) 内務省令によって明治時代に日本各地に設立された招魂社を改称して護国神社とした。
同年 第2次世界大戦がはじまる。

1940年 日独伊三国同盟条約 (同年 南京に汪兆銘かいらい傀儡政権をつくる。 国内ではナチスを模倣し大政翼賛会を発足)

1941年 大東亜共栄圏を建設途上の日本帝国は 自存自衞ノ爲(開戦の詔勅)として
米英に対して大東亜戦争(太平洋戦争:日・米・中国の世界大戦参戦)を始めた。

敗色濃くなった 大戦末期、本土決戦等の戦争遂行の思想強化(一億総玉砕の思想)として靖国・護国神社体制が強化された。(万歳攻撃、特攻、靖国で会おう, 靖国の母・・・など)。
       「同期の桜」五番 貴様と俺とは同期の桜 離れ離れに散ろうとも
                         花の都の靖国神社 春の梢(こずえ)に咲いて会おう(昭和19)

1945年6月 義勇兵役法が成立施行された。男15―60歳、女17―45歳の民兵組織 国民義勇戦闘隊2800万人を本土決戦に動員予定だった。装備は各自が用意の鎌や竹槍など。沖縄戦では爆雷による自爆攻撃も。( ナチドイツの国民突撃隊は男のみ。装備は携帯式対戦車砲・銃)


戦後 
戦後 ドイツでは、ニュルンベルク裁判だけでなく、国内法で戦争の責任者を追及し、自由と民主主義を否定する団体を非合法化した。
日本では、GHQは、一部戦争責任者を除く旧体制で占領政策・民主化・非軍事化政策を進め、戦時政策は復興のため援用された(配給等統制経済・政府指導)。国民合意も復興と経済発展だった。

1951年のサンフランシスコ平和条約において  日本国は、極東国際軍事裁判所(A級戦争犯罪)並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷(B・C級戦犯)の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するもの・・とした。(第十一条【戦争犯罪】: 
 A 平和の破壊又は侵略行為(国連憲章) への戦争指導者の責任「平和に対する罪」、
 
B 捕虜虐待など「通例の戦争犯罪」、
 C 戦争遂行目的でなされる「人道に対する罪」)

1968年 戦争及び人道に対する罪に対する時効不適用条約が国連総会で決議され,1970年に発効。日本は棄権し 批准もしていない。

戦後、日本軍の名簿を引き継いだ厚生省による戦没者等の遺族年金などの給付が進む一方、一宗教法人になった靖国神社への戦没者の合祀はすすんだ。
B・C級戦犯の合祀もなされた。
1975年(昭和50)天皇による最後の靖国神社参拝。
1978年(昭和53)A級戦犯(この年より靖国神社は「昭和殉難者」の呼称を用いる)の合祀がなされた。

≪先の戦争を遂行するために使われた 靖国思想 皇国思想が、戦後 誰にどのように受け継がれたか≫
これを映画「靖国」で考えてみよう


極右思想、皇国思想, そして 靖国をどう考えるか
 市民として 常識で考えることです。
 靖国神社を考えるとき 靖国で会おうと言って約束した現存の人たちや 遺族のうち靖国を父・兄等に会える場所とする方々への深い配慮が必要です。信仰としての平穏と平和を願う気持ちを傷つけてはならないのです。戦後60余年、戦争の精神的後遺症をケアしてきたでしょうか。この方々も、靖国神社との一体感をアピールし皇国思想を広げようとしている人達には違和感をもっているはずです。  


国民に 一億総玉砕 を迫ったこと ・・・帝国臣民の人権とは
先の大戦は皇国思想をはじめとする奔流がとてつもなく強く、その軍国日本の狂気と軍部・政治・経済・社会・文化全体が呼応し、なぜ国全体が有無を言わさぬ最悪の悲劇-残酷・悲惨な戦争をしたのか。
ただ1つ1つ見ると国内外の情報を共有せず、戦争を遂行する者にアクセルを奨励しブレーキを禁じる破局へのシステムだったことに驚く。
ひとつの要因としては戦時国際法として非戦闘員・投降者等保護など 戦争の国際ルールである
  ハーグ陸戦条約(1907年批准:今日に至る) と
  ジュネーヴ条約(1929年;日本は署名を行ったが批准しなかった。
                  日米開戦後米国は遵守する意思を 中立国を通じて表明)
がありながら、兵士・一般国民には知らされなかったことが挙げられるだろう。
   B(捕虜虐待等) C(人道に対する罪)級戦争犯罪、
   玉砕、
   島民の集団自決など を招いたのではないだろうか。

しかし、軍人(将も兵も皆)はハーグ陸戦条約があっても国内法・軍律に基づいて規制されていたのだ。
軍人勅諭
(ぐんじん ちょくゆ) 1882年 明治天皇が陸海軍に下賜)
        忠節を守り義は山岳よりも重く死は鴻毛(こうもう)よりも軽し・・・陸軍では暗唱させられた

戦陣訓
(せんじんくん)      生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず・・・
   (1941年1月に当時の陸軍大臣・東條英機が示達した訓令)
       
陸軍刑法
 (公布:1908年 改正:1942年 ・・・上官に対する絶対服従だけを定めた法律ではなかった
軍の司令官は可能な限りのことをしないで、降伏したり陣地を明け渡したら 死刑(陸軍刑法40条,海軍刑法35条)、可能な限りのことをしてから降伏した場合でも 6か月以下の禁固(陸軍刑法41条)
――いずれにしろ司司令官にとって降伏は 死刑か、生き恥をさらす有罪。最後まで死守するか、自決か 最後の万歳攻撃 の究極の選択。結果、数多くの玉砕の悲劇が起こった。
(国民義勇戦闘隊にも 陸軍刑法・海軍刑法は刑を減軽できるが適用された。文字通り一億総玉砕体制)

1945年天皇の終戦詔勅があるまで 誰も降伏できなかった。 
残された道 英霊となって靖国で会うこと。

今生きている私たちは 
  
戦争体験者(戦地でどうにか生き延びふるさとに帰りついて、または内地にいて空襲を必死で逃げ延びて、戦後の大混乱を生きぬいてきたもの)と、戦争を体験した父母・祖父母から 言葉で言い尽くせない苦しい体験と生きる大切さを教えられてきた子・孫です。
なぜそのような悲惨な戦争体験をしなければいけなかったのか その基本的な疑問と戦争の記憶を原点とする私たちには、美しく戦争を語る者との違和感は近年ますます大きくなっています。
この映画「靖国」は、私たちの生きてきた歴史を直視し、軍国日本と決別し、語り継ぐべき歴史とする勇気を与えてくれる映画です。

アジア諸国に対して 
 1000年をはるかに超える長い交流の歴史で、相互に文化・歴史の深さ、民族・宗教の特徴を知っているのに どうして日本は優越を考えたのだろうか。
アジア諸国は日本に侵略され占領された不幸な歴史を持つ。
誰が、何故 先の大戦をし掛け、全日本国民を駆り立てたのか説明し、今後そのようなことのないことを分かってもらうのは日本の責任です。
当然のことですが、多様な社会・文化・歴史を認め合うこと本来の価値を共有することになり豊かになります。
反対に自国の多様な文化を否定し、継承しなければ自国の豊かさを失います。
否定し合ったのは冷戦時代のこと。
現代は相互理解と調和とバランス、そして適切な対応と忍耐が必要な 友好を超えた現実の関係なのです。


民主主義では 
平和憲法を持ちながら、もしかすると私たちが選んだことが戦争へ繋がる道であるかもしれません。
問題が起きたとき、様々な人が市民として参加し 情報を共有し 個性を出し合い対応するのが 市民運動。
つまり私たちは別の様々な解決策に変更・選択できるのです
      …これが市民社会の民主主義です。

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