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30
11月

【福井映画祭13th:特別企画上映】典座 TENZO(11/30)

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何の為の信仰か?誰の為に祈るのか?


監督:
 富田克也
出演:
 河口智賢
 近藤真弘
 倉島隆行
 青山俊董
原題:
 -
上映時間:
 62分
日本公開日:
 2019年10月4日
製作年:
 2019年
映倫区分:
 G
配給:
 空族

カンヌ国際映画祭 「批評家週間」特別招待

他は是れ吾にあらず更に何れの時をか待たん
国王大臣から遠く離れ深山幽谷にて山を拓けよ

 10年前、本山での厳しい修行期間を終えた河口智賢(僧名・チケン)と兄弟子の倉島隆行(僧名・リュウギョウ)は、自らの生まれた寺へとそれぞれ戻っていった。

 富士山の裾野に広がる山梨県都留市、耕雲院。智賢は住職である父と、母、妻、そして重度の食物アレルギーを抱える三歳の息子と共に暮らしている。全国曹洞宗青年会副会長としての顔も持ち、いのちの電話相談、精進料理教室やヨガ坐禅など、自分なりに今の時代に合った仏教というものを模索し意欲的な活動を続けている。修行時代に精進料理を任される役職“典座”だった智賢は、かつて自分自身もアレルギーに苦しめられ、それが本山の修行によって完治したという経験から高度に発展したこの現代社会にこそ仏教の教え、その中でもとりわけ日常全ての人間が行う“食”に関する問題が大切なのではないかと考えていた。「一体どうしたら多くの人々にそのことを伝えることができるだろう?そうだ。映画をつくってみたらどうだろうか?」たまたま従兄弟が映画監督をしていたこともあって、智賢は“典座”についての映画を青年会で製作することを思いついたのだった。

 一方の兄弟子・隆行は福島県沿岸部にあったかつての自身のお寺も、家族も檀家も、すべてを東北大震災の時の津波によって流されてしまっていた。今では瓦礫撤去の作業員として軽トラックを走らせながらひとり仮設住宅に住んでいる。そんな隆行のことを人知れず心配している青年会の近藤は、山梨の智賢から届いたいのちの電話相談の携帯電話を隆行にも託そうとするが「俺、いま土建屋だから」と断られてしまう。年間3万人にものぼる自殺者を抱える現代日本。その日もいのちの電話相談には睡眠薬を飲み過ぎた女性からの電話がかかってくるのだった。そんなある晩、智賢の息子の智優が食物アレルギーによるアナフィラキシーショックで救急病院に運ばれてしまう…

信仰を失ってしまったわたしたち―
今こそ問う、仏教とは?信仰とは?
 10年前、本山での修行期間を終えた兄弟子の隆行(リュウギョウ)と弟弟子の智賢(チケン)は、自らの生まれた寺へとそれぞれ戻っていった。

 富士山の裾野に広がる山梨県都留市、耕雲院。智賢は、住職である父と、母、妻、そして重度の食物アレルギーを抱える3歳の息子と共に暮らしている。全国曹洞宗青年会副会長としての顔も持ち、いのちの電話相談、精進料理教室やヨガ坐禅など、意欲的な活動を続けている。

 一方の兄弟子・隆行は福島県沿岸部にあったかつてのお寺も、家族も檀家も、すべてを津波によって流されてしまった。今では瓦礫撤去の作業員として、ひとり仮設住宅に住まいながら本堂再建を諦めきれずにいた―。

 仏僧も、それぞれみなひとりの人間。仏教は果たして必要とされているのか? 今こそ本当に信仰が求められる時代なのではないか。苦悩しながらも仏道に生きる若き僧侶の姿、そして高僧・青山俊董のことばを通じて、映画は驚くべき境地に観客を誘うことになる。

『サウダーヂ』『バンコクナイツ』に続く富田克也最新作は、
仏教とそれを取り巻く3.11以後の日本のすがた
 演じているのは、全国曹洞宗青年会の実際の僧侶たち。映画製作にあたり、彼らが“今、一番話を聞いてみたい曹洞宗の高僧”青山俊董老師の元へ、実際に智賢が訪ね交わされた対話を軸に、福島、山梨、長野、そして中国の自然の中で繰り広げられる、現代日本の僧侶たちの日常が、フィクションとドキュメンタリーの枠を超え、円環しはじめる。

 監督は常に規格外の作品で国内外に話題を振りまく空族・富田克也。『サウダーヂ』(11)で疲弊する地域社会を描き、『バンコクナイツ』(16)では現代日本をアジアから照射したが、今回は仏教とそれを取り巻く3.11以降の日本社会の姿を真っ向から捉えた。第72回カンヌ国際映画祭の批評家週間「特別招待部門」に選出され、海外からの驚嘆の眼差しで迎えられた本作が、いよいよ日本公開となる。
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