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11月
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わたしは金正男を殺してない(11/28~12/11)
CATEGORY映画情報<上映終了>

殺されたのは、わたしの人生。
わたしは金正男を殺してない
監督:
ライアン・ホワイト
製作
ジェシカ・ハーグレーブ
ライアン・ホワイト
製作総指揮
ダグ・ボック・クラーク
ダン・コーガン
ジェラリン・ホワイト・ドレイファス
撮影
ジョン・ベナム
編集
ヘレン・カーンズ
原題:
Assassins
上映時間:
104分
日本公開日:
2020年10月10日
製作:
2020年製作/アメリカ
映倫区分:
G
配給:
ツイン
今世紀最大の暗殺事件の謎に迫るドキュメンタリーの誕生
2017年、クアラルンプール空港で北朝鮮の最高指導者・金正恩の実兄・金正男が殺された。
暗殺者として捕まったのは、二人の若い女性だった…
衝撃的な事件は2017年2月13日、マレーシアで起こった。北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)の異母兄である金正男(キム・ジョンナム)が、大勢の利用者でごった返すクアラルンプール国際空港の出発ロビーで殺害されたのだ。さらに世界中を驚かせたのは、マレーシアの警察に逮捕された容疑者が“暗殺者”のイメージからはあまりにもかけ離れた若きふたりの女性だったことだ。インドネシア人のシティ・アイシャと、ベトナム人のドアン・ティ・フォン。現場のあちこちに設置された監視カメラには、搭乗手続きをしようとしていた金正男に彼女たちがじゃれつくように襲いかかる様子や、金正男が警官らに助けを求め、ふらつく足取りで空港内のクリニックに向かう姿が生々しく捉えられていた。そして金正男はまもなく死亡。猛毒の神経剤VXを顔に塗りたくられたことが原因だった…。
『わたしは金正男を殺してない』はこの何もかもが奇妙かつ大胆で、謎のベールに覆われた世紀の暗殺事件の真相に迫ったドキュメンタリーだ。はたして容疑者のシティとドアンはプロの殺し屋なのか。彼女たちと、その背後で暗躍していた北朝鮮の工作員たちとの関係はいかなるものなのか。アメリカで最も有名なセックス・セラピストの波瀾万丈の人生を描いた『おしえて!ドクター・ルース』(2019)、聖職者による性犯罪の闇に切り込んだNetflixオリジナル・シリーズ「キーパーズ」(2017)で絶賛された気鋭のドキュメンタリー作家、ライアン・ホワイトが、クアラルンプール、インドネシア、ベトナムで粘り強い取材を敢行した本作は、まさに想像を絶するミステリーの真実を観る者に提示していく。
SNSを通して暗殺者になるまでの60日間の真実――。
20代のふたりの女性はプロの暗殺者か、それとも悲劇の主人公か?
弁護団やジャーナリストへのインタビュー、空港の監視カメラなどの記録映像をふんだんに盛り込んだこのドキュメンタリーは、貧しい日常を抜け出そうとあえいでいたインドネシア人のシティ、希望していた職に就けずに女優を夢見ていたベトナム人のドアンの知られざる実像に迫っていく。ミスターYやジェームズなどと称し、素性を隠しSNSを通して彼女たちそれぞれに接触した北朝鮮の工作員たちは、日本のTV向けの“イタズラ動画”への出演話を持ちかけ、恐ろしいほど巧妙かつ入念な手口で、無邪気なふたりの女性を暗殺の実行犯へと仕立てていった。本作は自分たちが北朝鮮の巨大な陰謀に巻き込まれたとは知る由もないシティとドアンが、何気なくSNSに投稿した動画や、工作員たちと交わしたテキスト・メッセージも織り交ぜ、信じがたい暗殺計画の裏側を時系列に沿って克明に映し出す。
またホワイト監督は、暗殺当日のシティとドアン、彼女たちを操る北朝鮮の工作部隊、何も知らずにひとりで空港にやってきた金正男の行動を緻密に映像化。有罪になれば絞首刑に処せられることは免れないシティとドアンの裁判の模様も、音声データやイラストを駆使して再現していく。ニュース報道では伝えられなかった深い闇の中の真実が次々とあふれ出てくる驚愕の展開に、誰もが言葉を失い、戦慄を覚えずにいられないだろう。
そして本作は、より良い生活を追い求めて、この悪夢のような悲劇の主人公になってしまったシティとドアンを取り巻く過酷な現実をあぶり出すとともに、ふたりが獄中で育んだ友情のエピソード、彼女たちの無実を信じて闘った弁護団の活躍にも目を向けている。まさしく事実は小説よりも奇なり。あらゆる奇想天外なスパイ映画をも凌駕するであろう歴史的な暗殺劇、その全貌が世界に先駆けついに解き明かされる――。

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