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03月

少女ムシェット [1967](3/13~3/19)

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孤独、あまりにも孤独

少女ムシェット [1967]


監督:
 ロベール・ブレッソン
原作:
 ジョルジュ・ベルナノス「新ムシェット物語」
出演:
 ナディーヌ・ノルティエ
 ジャン=クロード・ギルベール
 マリー・カルディナル
 ポール・エベール
 ジャン・ビムネ
 マリー・ジュジーニ
原題:
 Mouchette
上映時間:
 80分
日本公開日:
 2020年10月30日
日本初公開:
 1974年9月
製作:
 1967年製作/フランス
配給:
 コピアポア・フィルム、lesfugitives

孤独で、惨めで、あまりに哀れな少女の受難劇。
多くの映画監督たちを魅了した、ブレッソンの問題作にして伝説の一作。

重病に苦しむ母と、酒に溺れ暴力を振るう父。自分が面倒を見るしかない赤ん坊を抱え、14歳のムシェットは、貧しい生活のなか、ひたすら孤独な日々を過ごしていた。家でも学校でも居場所のないムシェットは、森の中に逃げ込むが、突然の嵐で道に迷ってしまう。やがて森をうろつく密猟者のアルセーヌと遭遇したムシェットは、その夜、彼に強姦される。翌朝帰宅した少女は、母親の死去という悲劇に見舞われる。いつものように牛乳をもらいに出かけたムシェットは、ただ一人、村はずれの池に向かう…。

受難の少女、その苛烈なる「生」を厳格に見つめる
 ―プレッソンによる永遠に過激な問題作
ロベール・ブレッソンが傑作『バルタザールどこへ行く』の直後に手がけた本作は、またも一人の少女の悲運な運命をまざまざと描きだす。原作はカトリックの作家ジョルジュ・ベルナノスの小説。ブレッソンは、これ以上ない厳格なフレーミングと、俳優たちの演技を最小限に抑制することにより、原作にあった冷酷さを忠実に映像化。常に孤独な魂を映し続けてきたブレッソン映画のなかでもとりわけ苛烈な問題作が誕生した。強情で忍耐強い少女ムシェットを演じたのは、この映画のために抜擢されたナディーヌ・ノルティエ。彼女の悲惨さが極まるそのラストシーンは、ベルイマン、タルコフスキー、ジャームッシュら多くの映画監督をも魅了し、映画史に残る名場面として今も語り継がれる。

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